江戸っ子(2)

平 次:あいゃーいい匂いっすねぇ?

おやじ:おっ、こりゃ“さんま”だなぁ。

平 次:すごいっすねぇー、おやっさん。

    匂いだけで、肴の名前わかっちゃうんだ。

    やっぱ、おやっさんって、ただの“大工”じゃないっすよぉ。

おやじ:まぁ、昔、ちょいとあったのよぉ、“さんまとは”

平 次:はっ!?

おやじ:まぁーいい。じじぃのたわごとだぁ、気にすんな。

平 次:ヘイ。

おやじ:あー!“さんま”が食いたくなった。

     (携帯電話で自宅へ電話を入れる)

平 次:あ?!!!おやっさん!それっ!携帯!

    あん、も〜、おやっさん、

    携帯電話は持たない約束、したんじゃなかったスか!

    も〜オイラ、すっげー欲しかったのに、ずーと、がまんしてたんスよ、

    おやっさん、ひどいっスよ。

    男と男の約束だって、「じゅらく」で、いってたんじゃないっスか。

    だいたい携帯なんぞ持つやつは、日頃仕事をやっとらんとか、

    足で稼いでなんぼじゃーとか、

    だから、今の日本はダメなんだ。とか、

    まして「着メロ」なんて、とんでもねぇ、とか、

おやじ:平次、おめぇなぁ、その髪なんとかしろ。

    なんだ、その薄黄土色は!

    男はなぁ、黒か白か、どっちかだぁ。

    わかったか、平次!

平 次:おやっさん、話ずらさないで下さいよぉ。

おやじ:おぉ、でもネ、これなかなか使えるんだよ。

    「Iモード」でしかも「カラー」。

平 次:おやっさん、言葉遣い違いますよぉー。

おやじ:平次。いまどき、携帯の1つや2つ持ってないとよぉー、

    名刺だって、カッコ悪りーてぇの。

    字数が少ないとなんかこー印刷屋にぼられてる感じしねぇーか。

 

    まぁ、平次クン。君の意見もよく分かる。

   でも、男にはそーゆーときもある。